保護者会などの自己紹介で緊張する人に知って欲しいこと
緊張・あがり症克服の専門家
金光サリィです。
入学シーズンを迎え、なにかと人前で話す機会、
特に幼稚園や学校での保護者会や懇親会などで
自己紹介する機会が増えているのではないでしょうか。
私自身、極度のあがり症で悩んでいた時は、
この自己紹介が大の苦手で、少人数の飲み会にも行けないほどでした。
自分の番がはじめの方ならまだマシで、最後の方まで待たされると、
待ち時間に
どんどん緊張で鼓動が速まり、
心臓が口から出そうになっていました。
無論、自己紹介のときには手足が震え、頭が真っ白になり、
思ったことの半分も言えずに終えていました。
当時よく言われたアドバイスが2つあります。腹式呼吸、ストレッチなどによるリラックス法と、
とにかく場数を踏めばそのうち慣れるというものです。極度のあがり症だった私には、
どちらもまったく効果がありませんでした。
今回の記事では、腹式呼吸などではリラックスできない理由と、
場数を踏んで克服できる人とできない人がいる
ので気を付けて欲しいこと。そして、自己紹介をラクにする方法をお伝えします。
緊張を一瞬で和らげるテクニックは存在しない
自己紹介や面接などで緊張すると悩んでいる多くの方が、腹式呼吸、ストレッチ、ツボ押しなどといったテクニック的な方法で
緊張を一瞬で緩和できるとアドバイスされ、それを期待しています。
でも残念なことに、緊張を一瞬で和らげる方法は存在しません。冷静に考えてみたら当然ですよね。
こういったテクニック的な方法は、基本的に
“副交感神経”を優位にしてリラックスしよう
という考えに基づいています。でもこれはあくまで、交感神経と副交感神経が均衡している“平時”の時に効果があるだけ。“交感神経”がすでにMAXに優位に働いている“緊張時”には、
リラックス効果は望めません。
他にも、人前で「緊張しています」とカミングアウトすれば
ラクになるという話をきいたことありませんか?それで緊張しなくなるなら・・・と恥を忍んで試してみたことがありますが、全然ダメでした。トレーニングに来られるクライアントの皆さんからも、
同じ経験をよく聞きます。
脳科学的に考えても、
「緊張」という言葉を使った時点で緊張が誘引されるので、「緊張しています」とカミングアウトすることは好ましくありません。
緊張を場数や場慣れで克服できるかの診断方法
あなたが緊張を場数で克服できるタイプか否かの
診断方法はとっても簡単です。
人前で自己紹介を終えたあと、それを振り返ってみて、
あなたは次のどちらでしょう?
1)良かった部分に目を向けられる
2)良かった部分なんて見えない
もしあなたが前者であれば、
場数や場慣れで次第に緊張せずに話せるようになります。緊張やあがり症は、
「人前で話せた!」という成功体験で克服できるので、良かった部分に注目できる前者なら、場数によって少しずつにでも成功体験を得ることができます。
一方、良かった部分に注目できない後者の場合は、
場数や場慣れでは成功体験を得ることが難しいため、別の方法=あがり症克服のためのメンタルトレーニングが
必要になります。
後者のタイプの人が、場数や場慣れで緊張を克服しようとすると、昔の私のようにドツボにはまってしまうので気をつけて下さい。良かった部分に注目できないため、
場数を踏むたびに“失敗体験”を積むことになり、緊張、あがり症が悪化する可能性があります。
保護者会などで自己紹介をラクにする方法
ここで、前者の方がより成功体験を得るために役立つ
2つの方法をお伝えします。(後者の方にも、メンタルトレーニングに加えて必要な考え方です)
have to ではなくwant toでしゃべる
「~しなければならない(have to)」という気持ちではなく「~したい(want to)」という気持ちでしゃべることです。
たとえば、上司の命令でイヤイヤ話す場合は「have to」、好きな芸能人の話をしたくてたまらないような場合は「want to」です。
自己紹介で緊張する人の多くは、
おそらく「have to」の状態だと思います。「上手に話さなければならない」
「緊張してはならない」などです。
これを内容を工夫するなどして「want to」にできるかぎり持っていくことで、
人前でラクに話しやすくなります。
例えば保護者会であれば、「上手く話さなければならない」といった気持ちではなく「子供のことをみんなに伝えたいなぁ~」と思って話せば、
「want to」の要素が大きくなるでしょう。
自己紹介の内容を暗記しない
緊張やあがり症で悩んでいる人の多くが、自己紹介の内容を一字一句暗記して臨んでいるようです。これは非常に危険です。
なぜなら、一字一句暗記することが脳には非常に負担であること。また、言葉をつなげて覚えているので、一語でも忘れるとその先すべての記憶が飛んでしまう
怖れがあるからです。
まだ言うことがあったはずなのに、途中で「よろしくお願いしますm(_ _)m」と
強制終了させたことが、私は何度もあります。
どうすればよいかというと、「〇〇と、〇〇について話そう」と
キーワードと流れだけを決めておくことです。自分の番が来たら、そのキーワードについて話すだけです。
「キーワードだけなんて、言葉が出てこなくなりそうでムリ!」
という声が聞こえてきそうですが、
これまで言葉が出てこなかったのは、緊張していたからです。
普段(緊張していない状態)は、原稿も事前準備もなく、
その場で思いついたことをしゃべれていますよね。こちらのほうが、脳は断然ラクに言葉を紡ぎ出せるのです。
正しいアプローチで、
人前で楽しく自己紹介できる自分を目指してくださいね。
こちらはあがり症なのにPTAの役員になってしまって
トレーニングを受けられた方の体験談です。
あがり症克服体験談