緊張しやすい人はリラックスしようとしてはいけない
緊張やあがり症克服の一般的な方法は、リラックスすることを目指します。そのために腹式呼吸や柔軟体操などを行う方がいます。しかし、それらを真面目に取り組んでも、あがり症は克服できません。失敗を繰り返し、あがり症が悪化してしまったという話を聞いたのは、1度や2度ではありません。
防衛本能に逆らっても無駄
本番(人前)を危険な場として感じているとき、人間の防衛本能は、「戦えー!」または「逃げろー!」とエネルギーを体に送ってくれます。それがドキドキや震え、汗や赤面などの原因です。また防衛本能が働いている時は、言語を司る大脳の働きが弱くなり、言葉が出にくくなります。
防衛本能に逆らってリラックスするというのは、どんなに危険が迫っても微動だにせずいられるインドの山奥で何十年も修行をしたヨガのマスターぐらいではないでしょうか(勝手なイメージですが)。長年高度な訓練をした者でない限り、本能に逆らうことは非常に難しいことです。
また、滑舌良く話さなければならないとか、一字一句間違えずに原稿通り話さなければならないといった「○○しなければならない」というプレッシャーも防衛本能を刺激してしまいます。
リラックスではなくテンションをあげて臨め!
それでは、緊張しやすい人はどこを目指せばよいのでしょうか?ここでひとつ発する言葉を変えてみましょう。
ドキドキした時などに「緊張してきた」ではなく、「テンションがあがるー!」と言い換えてみてください。英語にしただけで摩訶不思議。それらのイメージが変わったのではないでしょうか。
「緊張」という言葉にネガティブなイメージを持つ人が「緊張」と言えば、過去の嫌なイメージが思い浮かびますが、「テンションがあがるー」と言い換えただけで、なんだかやる気に満ちた良いイメージになると思います。
以上はほんの一例ですが、このように「言葉」をはじめとする脳への指示(メッセージ)を変え、本番に対するイメージをマイナスからプラスに転換することが、金光サリィ式の脳科学をベースにしたあがり症克服トレーニングです。リラックスを目指さず、本番を楽しいイメージに変えてテンションをあげて臨みます。
上手に話すことを目指さず、楽しく話すことを目指すため、滑舌などはお構いなし。考えるときに出てくる「え~」とか「あ~」などの音もどんどん言ってください(笑)そんな小さなことよりも、自分の思いを自分の言葉で、相手の反応をも楽しみながら自由に発信できたほうがいいですよね!原稿の暗唱に時間を使うぐらいなら、当日のワクワクとした楽しい妄想に時間を使いましょう。詳しくは「人前で話すのがラクになる!5つの魔法(ダイヤモンド社)」をご覧ください。