あがり症がなかなか治らない人の3つの誤解

人前でのあがり症

ヴィゴラ~ス!緊張・あがり症克服の専門家 金光サリィです。

場数を何度も踏んでいるのに、あがり症がなかなか治らない。セミナーや教室に通ってスピーチ練習に励んでも、本番はいつもどおりあがってしまう。このような状況が続くと、何か自分に欠陥があるのかもしれないと自信を失ってしまいますよね。

しかし、あがり症がなかなか治らない人は、今回お伝えする3つの誤解を抱えていることがとても多いです。決してあなた自身に原因がある訳ではありません。かくいう私もこの呪縛に取り憑かれていました。

誤解したまま間違った克服方法に取り組み続けても、あがり症は治らないどころか悪化することがあります。今すぐ誤解を解いておきましょう。

あがり症は場数で必ず治せる(誤解1)

人前で話すときに緊張する、あがってしまうと相談すると、「場数を踏め」「場慣れが大事!」と十中八九言われるのではないでしょうか?これは、ある人にとっては間違っていません。

そのある人とは、『スピーチやプレゼンなどでどうにかこうにか最後まで話し終えることができ、ちょっとずつでも「私は人前で話せる」とポジティブに捉えることができる人』です。

このタイプの人(私は軽度のあがり症の人と呼んでいます)は場数を踏むことで、成功体験が少しずつ脳(海馬)にインプットされるので、最終的にはあがり症を克服できます。

※「あがり症になった原因とメカニズム」でお伝えした通り、あがり症を克服するには、成功体験などによって「人前=危険」ではないと、脳(海馬)に記憶させる必要があります。

しかし問題は、『しどろもどろになって思い通りに話せなくなり、「もう二度と人前で話したくない・・・」となってしまう人』です。

このタイプの人(私は極度のあがり症の人と呼んでいます)は、場数を踏んでも失敗経験しか積み重ねられないので、苦手意識が増してあがり症を克服できないどころかひどくなることがあります

場数であがり症が治った講師は、「場数や場慣れで必ずあがり症は克服できる」とかたくなに指導しますが、極度のあがり症の人がそれに従うと痛い目にあってしまいます。私は、この指導方法は、重度のあがり症の人たちの自信をなくす最悪のアドバイスだと思っています。

軽度のあがり症の人:場慣れ・場数でOK/極度のあがり症の人:場慣れ・場数では無理

スピーチ練習に励めば必ず克服できる(誤解2)

多くの人が「あがり症ではない状態」=「上手に話せる状態」と勘違いしているため、スピーチ練習を行うセミナーや教室などに通って、話の組み立て、間の置き方、声のトーンなど、上手に話すための技術を学びます。

しかし、あがり症かそうでないかは技術というより感情の問題です。「人前で話すのが好きになる」ことが目指すべき状態で、このためには「人前=危険」というイメージを改善する必要があります

残念ながら、スピーチ練習に取り組んでも、上手に話す技術の向上は見込めてもなかなかイメージの改善にはつながりません

どうしても上手に話せるようになりたいなら、まずはあがり症を克服すること。その後に、話し方教室やセミナーに通ってスピーチ練習に取り組んでください。この順番はとても大事です。

また、話す技術の習得というより、みんなの前で話す機会を得るため、つまり“場慣れ”のために、セミナーや教室に通う人もいます。しかし、セミナーや教室と、実際の本番では、雰囲気や面子などプレッシャーに雲泥の差があります。そこで得られるのはあくまで“セミナーや教室内での場慣れ”です

一つ例をあげます。私のところには、セミナーや教室ではあがらないで話せるようになったのに、本番では散々だったと相談に来られる方が沢山います。これはなぜでしょうか。

セミナーや教室で教えてくれる先生はやさしく、周りの生徒は同じ悩みを持ついわば同志です。このため、脳(海馬)が「この場所は怖くない、安全な“ホーム”だ」と次第に認識します。すると、セミナーや教室内ではあがらないで話せるようになります。でも実際の本番は、優しい先生や仲間のいない“アウェイ”。結局は今までのようにあがってしまうわけです

症状の軽い人は「なんかうまく話せるかも」と思って、その勢いでそのまま本番でも緊張しないで話せるようになることもあるでしょう。しかし、極度のあがり症の人にとってはその可能性は限りなく低いです。

教室内:ホーム化 → 怖くない → 緊張しない/本番会場:アウェイ → 怖い → 緊張する

あがり症はテクニックで緩和できる(誤解3)

腹式呼吸、ツボ押し、ヨガ、セロトニン(食べ物)などなど・・・。副交感神経を優位にして緊張を和らげることを目的としたテクニックが数知れずあります。「どれも一理あるみたいだし、なんだか簡単そう~」と、期待してしまうのも無理はありません。

たしかに、自宅などの安心安全と思える環境で、交感神経と副交感神経のバランスが大きく崩れていない平時に、腹式呼吸やツボ押しなどで副交感神経を優位にすればリラックスできます。

でも、私たちが困っているのは、本番の環境で緊張している時ですよね?この時は、すでに交感神経がマックスに高まっている状態です。交感神経がすでに優位になっている時に、腹式呼吸やツボ押しなどをしても副交感神経が優位になることはありません

今まで色々な克服方法を試してきた方は、副交感神経を優位にするテクニックでは効果がないことをすでに身を持って体験されているのではないでしょうか?

「青あざになるくらいツボを押してみたんですけど、ダメでした」とおっしゃるお客さんがトレーニングを受けにこられた時にはびっくりしました。あがり症が治らないのは、決してあなたの身体に原因があるわけではありません。

平時:交感神経と副交感神経が均衡 腹式呼吸など→副交感神経が優位になる/緊張時:交感神経が優位 腹式呼吸など→副交感神経優位にならない

まとめ
  • 本番で成功体験を得られない場合、場数ではあがり症は治らない
  • スピーチ教室での場慣れと本番での場慣れは別物
  • スピーチ教室であがらないで話せても本番であがらないで話せるとは限らない
  • 交感神経が優位な時に、腹式呼吸等のテクニックで副交感神経を優位にして緊張を和らげるのは困難

次の最後のトピックは「あがり症の克服方法の分類と迷わない選び方」です。山ほどあるあがり症克服方法を分類して解説しています。選ぶのに悩んでいる方はお読みください。

極度のあがり症・赤面症に長年苦しむが、脳科学・心理学を中心に学び考えた手法で、短期間に克服する。その方法をまとめた「人前で話すのがラクになる!5つの魔法(ダイヤモンド社)」は、今までにないあがり症克服本としてAmazonランキング総合2位(話し方・プレゼン部門1位)を獲得。現在10刷りのロングセラー。徐々に変化を促す一般的なものとは異なり、劇的な変化を起こすあがり症克服トレーニングが人気。

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