緊張を抑えるなという森永製菓さんのCMは正しい

ヴィゴラ~ス!あがり症克服の専門家の金光サリィです。
今回は「人前で緊張する人は、緊張を抑えるな、抑えようとするな」という話をします。

多くの人が緊張を抑える方法や、和らげる方法を知りたがっています。ネットで「緊張 抑える」と検索すると、山のように緊張を抑える方法が表示されます。

たとえば、深呼吸、腹式呼吸、丹田呼吸、ストレッチ、ツボ押しとかですね。

しかし、ちょっとした緊張しいならこれでもよいかもしれませんが、ひどいあがり症の場合はこれでは上手くいきません。これらの方法で本当に上手くいくなら、世の中にあがり症で苦労する人はいないと思いませんか?

あがり症克服をうたう教室やセミナー、講座などが書いている「緊張を抑える方法」の記事を読むと、緊張を抑えることを目指すのが当然だと思ってしまうかもしれません。

しかし、この考え方は間違っています。あがり症の人は決して緊張を抑えようとしないでください。これからその理由を説明します。

緊張を抑えるのは本能に逆らうのと同じ

人が緊張してしまう原因は、過去のネガティブな経験によって「人前=危険、怖い」と脳に記憶されてしまっていることにあります。

その状態のまま人前に出ると、いま危険な場所にいると交感神経が刺激されて、鼓動が速くなったり、血圧や脈拍が上昇したり、呼吸が激しくなるといった、いわゆるあがり症の症状が生じます。

この反応を闘争・逃走反応ともいい、狩猟時代に人間がイノシシなどの獣と遭遇し、戦ったり・逃げたりしていた時の名残と言われています。

つまり緊張している状態とは、脳が戦ったり逃げたりするために「エネルギーが必要だ~!」ということで、血液を体中に巡らせてくれている状況なんですね。

脳が必要だと思って体中にエネルギーを行き渡らせている時に「緊張を抑えるようとしても、「いやいや、そんな場合じゃないから!」とバシッと却下されます。

緊張を抑えようと色々なテクニックを駆使したところで、人間の本能に逆らうことは土台無理な話なのです。
※なぜ緊張を抑えることができないかの詳しい説明は「あがり症がなかなか治らない人の3つの誤解」をお読みください。

加えて、緊張を抑えることを目指していると、本番でわずかでもドキドキを感じると「あ~、やばい!私いま緊張している~」とネガティブに捉えてしまいます。

「その緊張を、エネルギーに。」というCM

その緊張を、エネルギーに。CM

それでは、リラックスするのではなくどこを目指すのかというと、身体がエネルギーをあげてくれているのを抑えようとせずに、そのエネルギーを利用するという意識に切り換えます。

たとえば、「ドキドキ」→「ワクワク」、「震える」→「武者震い」といった感じです。

最近、「その緊張を、エネルギーに。」というキャッチフレーズの「inゼリー」のCMを知りました。

敵に思える”緊張“キャラクターが実は本気の人にこそやってくる存在であり、味方として主人公を見守る様子を通じて、緊張もエネルギーに変えてほしいという「inゼリー」のメッセージを表現しています。
森永製菓株式会社News Releaseより

まさにまさにこのCMの考えの通りです。緊張を抑えようとしないで、緊張は脳が応援してくれているエネルギーだと捉えて、そのエネルギーを利用する意識に切り替えてください

これは、2010年に出版した「人前で話すのがラクになる!5つの魔法」からずっと言い続けていることです。

未だに緊張を抑えることを目指すあがり症克服セミナーや教室ばかりのなか、このキャッチフレーズを作った森永製菓さんはあがり症のことをよく理解されているなと思います。

これから毎朝「inゼリー」を飲もうと思います(笑)

まとめ
  • 緊張を抑えようと腹式呼吸、ツボ押しなど色々なテクニックを駆使したところで、人間の本能に逆らうことは土台無理な話
  • 緊張を抑えることを目指していると、本番でわずかでもドキドキを感じると「やばい緊張している~」とネガティブに捉えてしまう
  • 緊張を抑えようとせず「inゼリー」のCMのとおり、緊張は脳が応援してくれているエネルギーと捉えて、それを利用する意識に切り替えることが大事

金光サリィのあがり症克服方法に興味がある方は、Amazonランキング総合2位(話し方・プレゼン部門1位)の著書「人前で話すのがラクになる!5つの魔法(ダイヤモンド社)」をぜひお読みください。

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あがり症のための脳科学にもとづいたメンタルトレーニングの礎を築いたパイオニア。自身が極度のあがり症に苦しんでいた時期がある。ひどいあがり症の人ほど、スピーチ練習や場数、呼吸法などではなく、メンタルトレーニングが必要と伝えている。
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