あなたの目標設定は大丈夫ですか?
数年前、ある結婚相談所が企画する婚活パーティでコミュニケーションに関する講演をさせてもらったことがあります。
会場に着いてびっくり!出会いを求めて参加されている男女の人数が、なんと男性30人、女性2人というアンバランスさだったのです。参加者は私以上にびっくりされていたことでしょう。
主催者からのお願いで講演後のパーティに私も参加させていただくことになり席に着くや否や、その場で大変貴重な存在である女性の参加者さんが、私の隣にやってきて大きな声でこう質問されました。
「サリィ先生、私、結婚をあきらめた方がいいですかねぇ」。
質問で分かった真実
「えっ?!どうしてですか?」と尋ねると、「私って理想が高いんですよ」とのこと。
その女性に詳しく質問をしてみました。
「理想が高いって、具体的にはどんなふうにですか?」
「えー?あれですよ、背が高くて、優しくて、お金がある人」
「なるほど。背が高くて優しくて、お金のある人がいいんですね。じゃ、背は何センチ以上ですかね?」
え?と固まる彼女。そして一生懸命考えて出てきた言葉が、
「私より高ければいいです」
どう見ても彼女は150センチぐらいの小柄なのですが・・・。
「そうなんですね~。それでは優しいっていうのはどんな感じですか?優しいって言ってもいろいろありますよね?毎日頭をなでてくれる人を優しいと感じる人もいれば、毎日お小遣いをくれる人を優しいと感じる人もいます」
またしても固まる彼女。そして出てきた答えは、
「暴力を振るわなかったらいいです」
「そうですか。ではお金のある人っていうのは・・・」
「そりゃ公務員ですよ!安定してますから!」←この返事はすこぶる早かった(笑)
「公務員さんがいいのですね。具体的には月々どのくらいの収入がいいですか?」
「んーーー・・・・・・・・。毎日ご飯が食べれたらいいです」。
自分は理想が高いと思っていた女性に、具体的に質問をしてみて分かったこと。
彼女の求める理想とは、「彼女(150センチ)よりも背が高く、暴力を振るわず、毎日食べられる収入がある人」ということでした。
目標を明確にしよう
彼女のように、漠然とした目標設定によって、知らない間に迷路に迷いこんでいる人は少なくありません。
私のトレーニングを受けに来られるお客さんも目標設定が曖昧な方が時々いらっしゃいます。
よくあるパターンが「どんなふうに人前でしゃべれるようになりたいですか?」とお聞きすると、「普通にしゃべれたらいいんです」という答え。
「普通とは、どういった状態ですか?」、これを紐解いていくと「とにかくあがらないで人前で話せればいいだけ」ということがほとんどです。
それにもかかわらず、どこに今までいきましたかとお聞きすると「話し方教室やセミナー」に行きました。
そして何を習いましたかと聞くと、「話の組み立て方や、間の置き方、声のトーン、腹式呼吸などのスピーチ練習を行いました」という感じです。
これらの練習は、基本的に上手に話すための練習ですよね。目標が曖昧でなければ、遠回りは避けられた話だったかもしれません。
いまあがり症を克服しようと思っている方は、自分にとってそのゴールとはどういった状態なのか、今一度考えてみてみましょう。