人前で意見が言えない原因と対策|苦手放置は危険

ヴィゴラス!
脳科学をベースにしたあがり症克服の専門家の金光サリィです。

先日、あがり症克服サポートのお客さんではないのですが、こんな相談を受けました。

「月に1回、会社の朝礼で最近の気になるニュースを読んで、それに対する自分の意見を発表する機会がある。そこで自分の意見を言うのが苦手で、朝礼が嫌で嫌で仕方がない」とのこと。

「親や先生の意見は絶対だ」というような教育を受けてきた我々が、社会人になってから急に「自分の意見を述べろ」と言われても戸惑うのは当然のことかもしれません。

ただし、この状態を放っておくのは危険です。朝礼がどんどん苦手になると、次第に人前に対するイメージが悪化し、やがてあがり症に発展してしまうことがあります。

人前で意見を言うのが苦手な方は、早めに克服しておきましょう。

意見が言えない

人前で自分の意見を言えない理由

人前で意見が言えない理由は、主に2つあります。一つは「マインドブロックで自分の意見が言えない」、もう一つは「自分の意見がそもそもない」です。

多くの場合、原因はマインドブロックで、自分の意見がない人は僅かだと思います。

マインドブロックで自分の意見が言えない

日頃から物事に関心を持ち、積極的に情報をインプットしていたら、その情報をどんどんアウトプットしたくなるのが人の心理です。

情報をインプットしているにも関わらず人前で意見が言えないのは、心理的なマインドブロックが働いているからです。

マインドブロックには主に2つのパターンがあります。

相手から否定されるのを恐れている

まず一つ目は、「相手から否定されるのを恐れている」というパターンです。これは特に、普段から他人の意見を厳しく否定する傾向がある人によく見られます。

実は、相手の意見を否定しがちな人ほど、「自分も否定されるのではないか?」と恐れてしまうのです。

これは心理学では「投影」と呼ばれる現象で、自分の感情や考えを無意識のうちに他人に映し出してしまうことを指します。

批判的なものの見方は時に必要ですが、行き過ぎた批判グセは自他を苦しめます。どんな意見も、一旦は「なるほど~」と受け止めるクセをつけるようにしましょう。

相手を傷つけるのを恐れている

もう一つは、「相手を傷つけるのを恐れている」というパターンです。これは人の意見に傷つきやすい人に多く見られます。

先ほどの投影と同じように、自分が傷つきやすい分、相手のことも必要以上に心配してしまうのです。

しかし、意見はあくまでも意見です。その発言をどう受け止めるかは、聞き手に選択権があります。「あなたはそう思うんですね」と一歩引いた気持ちで受け取る姿勢を持つことで、この恐れは徐々に和らいでいきます。

マインドブロックは、意識的に自分の考え方を変えていくことで確実に克服できます。

自分の意見がそもそもない

私のあがり症克服トレーニングを受けて、人前への恐怖心は克服できたのに言葉が出てこない・・・そこで初めて「自分に意見がなかった(言いたいことがなかった)」と気づかれた方がいらっしゃいました。

そういう方は、少しずつで良いので「私はこう思う」「私はこう感じた」などと周りの家族や友達、同僚などにアウトプットすることから始めていきましょう。周りの人に話すのが難しいと感じる場合は、ブログやSNSでのつぶやきなどでもいいですよ。

新鮮なインプットがあるとアウトプットしやすいです。インプットというと「本を読む」みたいに固く考えてしまいがちですが、「新しい行動をする」「人と雑談をする」「映画を見る」などもすべてインプットです。

そのときに重要なのは、「後で意見や感じたことをネタにするぞ!(アウトプットするぞ!)」という意識を持つことです。この意識を持つだけで自然と感度が高まりアウトプットしやすくなります。

自分の意見が言えない、人の目ばかり気にしてしまうといった方に、うってつけの本がこちらです。ぜひお読みください。

簡単に使えるオリジナルフレームワーク

意見を言うためのフレームワークが幾つかあります。たとえば、「〇〇について、私は△△だと思います。なぜなら□□だからです」というようなものです。

でも私は、日頃そんなしゃべり方をしていないのに、人前で話すときにそれに当てはめてやれと言われたら、借りてきた猫状態になるのが容易に想像できます。

おすすめする私のオリジナルのフレームワークは、まず「①しゃべりたいことを思ったままに話す」。そして最後にそこが職場であれば「②仕事にかこつけてまとめる」という流れです。

①しゃべりたいことを思ったままに話す・・・これが日頃やっている話し方ですよね。

例えば冒頭でお伝えした方のように、朝礼でニュースをピックアップするのであれば「昨日の夜、ふとSNSを見ていたら「独身税」という言葉が流れてきて「ええ!?」と思ったんですよ。それで詳しく調べてみたら増税の一環で・・・」というような感じです。臨場感たっぷりに感情が乗って、自分の言葉で楽しく話せるのではないでしょうか。

ただここで終わってしまうと、話す方も聞く方も「税金に対する文句ここで話して意味あるの?」って気持ちになりますよね。

②だから最後に「仕事にかこつける」ことが大事です。

例えば「うちの会社も最近商品が値上がりしましたが、常連のお客様にその理由が伝わってないと思います。HPやニュースレター、口頭など、何かしらでお伝えできると、さらなる顧客満足につながるかもと、増税の記事を読んで思いました。以上です!」というような具合です。

②は少しコツがいるかもしれませんが、「仕事」には、仕事に臨む姿勢、お客様対応、目標達成などなど、いろいろな視点があります。「かこつけてまとめるクセ」を意識していると意外に落とし所は多く見つかるはずですよ。

まとめ
  • 人前で意見を話す事が嫌になると、あがり症に発展するリスクがある
  • 意見が言えない主な原因は、「否定への恐れ」や「相手を傷つける心配」というマインドブロックか、そもそも意見を持っていないか
  • マインドブロックは自分の考えの裏返しなので、解除するには自身の否定癖や傷つきやすい性分をやめること
  • 自分の意見を持つには新しいインプットを増やすこと。インプットする時は、後でネタにする意識を持つことでアウトプットがしやすくなる
  • ①しゃべりたいことを思いのまま話す。②その内容を仕事にかこつける。というフレームワークで自分らしい意見が言える

人前で極度に緊張して、意見を言うことができない方は、私の著書『人前で話すのがラクになる!5つの魔法』をお読みください。

あがり症のための脳科学にもとづいたメンタルトレーニングの礎を築いたパイオニア。自身が極度のあがり症に苦しんでいた時期がある。ひどいあがり症の人ほど、スピーチ練習や場数、呼吸法などではなく、メンタルトレーニングが必要と伝えている。
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