緊張していますと告白しても効果がない理由
ヴィゴラ~ス!緊張・あがり症克服の専門家 金光サリィです。
極度のあがり症で苦しんでいた時、「緊張しています」と告白すれば、緊張が和らぐと聞いて試したことがあります。
結果、和らぐどころか更に緊張してしまい、いつも以上にガクガクブルブルな状態になったことをよく覚えています。
脳の仕組みを知って、その理由が明らかになりました。
脳は告白すると緊張を再現してしまう
脳は、良い悪い関係なく注目したことを再現しようとします。このため、緊張という言葉を使うと、脳は緊張した場面を想像して、実際にその状態を再現しようします。
もう一つ、脳は周囲の期待に応えようとする傾向があります。例えば、「〇〇さんってやさしいですよね」と言われると、その人にやさしくしてしまう。「太っ腹ですよね」と言われると、おごってあげたくなる。そんな経験はないでしょうか。
同じように、人前で「緊張しています」と告白してしまうと、脳はそう言った以上は、みんなの期待に応えなくてはと「緊張している自分」を表現してしまいます。
専門用語で、悪い意味で周囲の期待に応えてしまう作用を「ゴーレム効果」、良い意味で周囲の期待に応える作用を「ピグマリオン効果」といいます。
ゴーレム効果とは、心理学用語で、ピグマリオン効果の対義語である。「ある人物に対して周囲の期待が低い場合、その人物は周囲の期待通りにパフォーマンスが低下してしまう」という心理学効果。監督者または個人自身のいずれかによって個人に課された期待が低くなると、個人のパフォーマンスが低下する。この効果は 教育および組織環境で主に見られ、研究されており、それは自己実現預言の一形態である。–ゴーレム効果 ウィキペディアより
みんなの前で緊張していますと告白することは、自ら墓穴を掘ることだったんですね。こういった小手先のテクニックでは、あがり症は克服できません。
あがり症の原因である人前に対するネガティブなイメージを改善することが根本的な解決策です。詳しくは「あがり症になった原因とメカニズム」をお読みください。
- 脳は、良い悪い関係なく注目したことを再現しようとするので、緊張という言葉を使うと、脳は緊張している状態を再現してしまう
- 脳は周囲の期待に応えようとする傾向があるので、緊張していると告白すると、脳はそう言った以上は、みんなの期待に応えなくてはと「緊張している自分」を表現してしまう