記帳などで緊張して手が震える人のためのイメトレ方法

ヴィゴラ~ス!
緊張・あがり症克服の専門家 金光サリィです。

結婚式やお葬式の記帳などで、
人に見られながら字を書くと、緊張で手が震える。
同じように、会食などでお酌する手や箸を持つ手が震える
という方がいらっしゃいます。

人前に対する苦手意識が強いと、
人前で字を書くときに緊張して手が震えてしまいます。
改善するには、人前に対するイメージを
ポジティブなものに変える必要があります。

ポジティブなものに変えるには
イメージトレーニングが効果的です。
ただ、イメージトレーニングと言われても、
どうすればよいのか分からない人が大半だと思います。

今回は、実際に友人の結婚式を控え、
人前で字を書くときに緊張して手が震えると
相談に来られたFさんにアドバイスした方法をお伝えします。

字を書く時に手が震える

手の震えを克服するイメージトレーニング

イメージトレーニングというと、
スポーツ練習の一つとして想像する人が多いと思いますが、
やり方によって今回のようにイメージの改善にも役立ちます。

スポーツ選手の行うイメージトレーニングは、
きれいなフォームなどをイメージしますが、
今回のイメージトレーニングでは、
自分が嬉しくなる場面をイメージします。

ぼんやりしたイメージではなくて、
五感を通して臨場感をもってイメージすることが肝です

そうすることで、今まで
ネガティブな感情しか湧かなかった場面に、
ポジティブな感情を持って臨めるようになります。

字を書くときに手が震えていたFさん

Fさんは人前で字を書くときに緊張して手が震えてしまうということで、
相談にいらっしゃいました。
Fさんは小さいころ習字と硬筆を習っており、
昔は字を綺麗に書くことには自信があったそうです。

ちょうど1週間後に友人の結婚式があるとのことで、
次のようにイメトレを行いました。

目を閉じて、深呼吸を数回行いリラックスした状態で、
当日の様子を映画のように自由に想像していきます。

結婚式会場に着いた。
もうすでにたくさんの人が集まってきているようだ。
私よりも少し若い女性が新婦側の受付係をしている。
Aちゃんのいとこだろうか。

列の最後尾に並び、受付の順番を待つ。
今日のために買った新しい靴がすごく綺麗で心地よく、
何度も自分で見てはうっとりしてしまう。
ホテルのふわっとした絨毯の上を歩くのが、
またなんとも気持ちが良い。

会場の扉が開くたびに、
中から音楽や人の楽しそうな話し声が聞こえてくる。
「早く入りたいなぁ~。どんな感じだろう」と
会場内を想像してワクワクしている間に、
自分の受付の番になった。

「この度はおめでとうございます。友人のFです」と言って
ご祝儀袋を受付の方に差出す。
女性が「ありがとうございま~す。お預かりいたしま~す」と、
コンビニのバイトの人のような軽い
イントネーションで言ったので、笑いそうになった。

目の前には名前と住所を記帳する芳名帳とペンがある。
「こちらにお名前をお願いします」という声に促され、
バッグを机の横の方に置いて、ペンを手に取った。
新しい紙のいい香りがする。

名前を書きながら、少し顔を上げて
「もしかしてAちゃんのいとこさんですか?」と聞いてみると
「あ、はい。そうなんですよ~。Bと申します」とのこと。
「ドレスすごくかわいいですね」
「え~!?嬉しい。ありがとうございます」などと
楽しく会話を交わす。

書き終わった芳名帳を見て、
「めちゃくちゃ字が綺麗ですね!すごーい」と
Bさんが褒めてくれたので
「ほんとですか。ありがとうございます」と答えた。
書き終わると席次表を見ながら席を教えてくれた。
とっても親切でいい人だなぁ。
自分の席を確認していよいよ会場に…

途中で嫌な気持ちが湧いたり、
手の震えを感じたら一旦ストップします。

嫌な気持ちの理由や、
手の震えをどうにかしようと考えるのではなく、
「その場面をどんな気持ち過ごせたら最高かなぁ?」
「どんな風に振る舞えたら最高かなぁ?」
「相手がどんなふうに言ってくれたり、してくれたら嬉しいかなぁ?」
などと考えます。

いい感情が湧いてきたら、
ストップした少し前からもう一度仕切り直します。

全体がスムーズにポジティブな感情を持って
イメージできるようになるまで繰り返します。

これを結婚式までの1週間、寝る前に行ってもらいました。
そして結婚式当日。
受付では緊張も手の震えもなく無事記帳できたそうです。

人前で”話すとき”に手が震えたりする場合は、
拙著「人前で話すのがラクになる!5つの魔法(ダイヤモンド社)」を
お読みくださいね。

あがり症のための脳科学にもとづいたメンタルトレーニングの礎を築いたパイオニア。自身が極度のあがり症に苦しんでいた時期がある。ひどいあがり症の人ほど、スピーチ練習や場数、呼吸法などではなく、メンタルトレーニングが必要と伝えている。
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