上手な話し手になるための「間」のつくり方

素晴らしい話し手と聞き手

人前で上手に話せるようになりたい。あがり症でお悩みの方に限らず、多くの人が望んでいます。

そのニーズに合わせて、呼吸法や滑舌トレーニング、話の組み立て方などスピーチに関するいろいろなスキルが紹介されていますが、私が大事だと思うのは話の「間」の取り方です。

素晴らしい話し手は、絶妙な「間」を持っていて聞き手の心を上手に掴みます。逆にいくら滑舌よく話の組み立てが巧みでも、話の「間」が悪いと聞く気が失せてしまいます。

私が「話の間がいいなぁ」と感じる方には、音楽経験者が多いです。音楽は、音符(音があるところ)も大事だけど、それ以上に休符(音がないところ)が大事と言われます。

このため、音楽経験者は「間」に対して潜在的な感性が養われていると思います。そのリズム感が話し言葉にも出てくるのでしょう。

では、絶妙な「間」を養うためには、音楽を習わなくてはいけないのかというと、もっとお手軽な方法があります。

それは、上手だなと思う人の話の「間」で黙っているのではなく、「うんうん」と頷いたり、「なるほど~」と相づちを打つことです。

これを心がけていると、自分がいざ人前で話すときに「聴き手の頷きや相づち」の間を自然と感じ取りながら話せるようになります。

相手の話の抑揚を無視して「うん、うん、うん、うん」と勢いだけでうなずいてしまう人や、体が固まった状態で聞いている人がいます。そういう人は、人前で話す時も一方的で独り善がりなスピーチになりやすいです。

上手な話し手になりたければ上手な聞き手を目指す。ノンプレッシャーで可能な練習なので、ぜひ試してみてくださいね。

あがり症のための脳科学にもとづいたメンタルトレーニングの礎を築いたパイオニア。自身が極度のあがり症に苦しんでいた時期がある。ひどいあがり症の人ほど、スピーチ練習や場数、呼吸法などではなく、メンタルトレーニングが必要と伝えている。
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