あがり症を場数によってそのうち克服できる人とできない人
ヴィゴラ~ス! 脳科学をベースにした緊張・あがり症克服の専門家 金光サリィです。
「あがり症を克服するには場数が必要だ!そのうち克服できる」
実は、このお決まりのアドバイスが極度のあがり症の方の自信を失わせています。今回は、あがり症を場数で克服できる人とできない人がいる理由をお伝えします。

あがり症を克服するなら場数という鉄板アドバイス
「人前で話す時に緊張してしまうのだけど、どうすればいいですか?」と誰かに相談すると、「場数だよ、場数。場数を踏めば、そのうち慣れて克服できるよ」というアドバイスが大抵返ってくると思います。
あがり症が克服できるとうたっている教室やセミナーも、場数や慣れが必要だと言っているところが多いです。
その言葉に従って、しっかりスピーチ練習に取り組んで、何度も本番に臨んでも、緊張が改善される見込みを一向に感じられない。むしろ悪化しているとさえ思う。
こうなると、自分が何か致命的な欠陥を抱えているのではないかと自信を失ってしまいますよね。
以前の私も完全にそうでした。たった1分足らずのアナウンスが、いくら練習しても思うようにできないどころか、どんどんあがり症の症状がひどくなっていく状態でした。
全然改善されないので本屋のスピーチ・話し方のコーナーに行くも、どれも「場数だ」「場慣れだ」と書かれていて、「それで克服できるなら、とうに克服できているわー!」と本を床に叩きつけたい衝動にかられたのを今でも覚えています。
あがり症を場数でそのうち克服できる人とできない人の違い
あがり症を克服するには、その原因である「人前に対する危険、怖いといったイメージ」を解消する必要があります。
このため、場数であがり症を克服するには、本番後に良かった部分に目を向けられるかがポイントになります。
よかった部分に目を向けることができれば、成功体験として記憶に残り、次第に人前に対するイメージが改善されます。
しかし、しどろもどろになって、本番の後に嫌な気持ちしか残らないようなひどいあがり症の場合は、イメージ改善が進まないので一向に克服できません。
場数で克服できる人は、本番の度になんとか話せた、私って意外と話せるかも、とポジティブなフィードバックによって、どんどん人前に対するイメージはよくなっていきます。結果、最終的にはあがり症を克服できます。
一方で、場数で克服できない人は本番の度に、最悪だったもう嫌と、ネガティブなフィードバックによって、苦手意識が高まって、改善するどころか逆にあがり症が悪化します。
一言にあがり症といっても深刻度はそれぞれ
以前、参加した勉強会でこんなことがありました。
隣の方にあがり症克服メンタルトレーニングをしていると話すと、「私あがり症なんですよ~。人前で無茶苦茶緊張します」と言われていました。
そして勉強会が始まって自己紹介する流れになったんですね。そしたら、その方、ちょっとソワソワした感じでしたが、普通に自己紹介しているんですよ。
本人があがり症と自覚していても実際の深刻度はピンキリです。この方なら場数をこなすことで、いずれ完全にあがり症を克服できるでしょう。
しかし、このような軽度のあがり症を場数で克服した方のアドバイスを信じて、極度のあがり症の人が同じように場数を踏んでも、自暴自棄になって自信を失うだけになります。
この場数という鉄板アドバイスは、人によっては正しくもあるので非常に厄介なんですよね。
これはあがり症克服を生業としている教室やセミナーでも同様の考えのところがあるので注意してください。
「なかなか克服できないです」と相談すると、それはとにかく場数が足りないからスピーチ練習にもっともっと通いなさいと指導されるようです。
場数で克服した講師は、このように根性論を推奨しがちです。
この結果、スピーチ練習の参加に累計100万以上使ってきたという生徒さんもいらっしゃいました。
それでは、本番の後によかった部分に目を向けられない極度のあがり症の場合はどうすればよいのでしょうか。
極度のあがり症の場合は場数で成功体験を得られない以上、本番前に人前に対するイメージを改善するメンタルトレーニングしか道が残されていません。
具体的な方法は、私の著書「人前で話すのがラクになる!5つの魔法」をぜひお読みください。

