要はあがらない為には深呼吸と暗唱する事でしょ?←違います!

あがり症を克服するには深呼吸と暗唱が大事?

「明日はいよいよセミナーデビューです。緊張する~って友達に言ったら、この本『人前で話すのがラクになる!5つの魔法』を紹介してくれました。時間がないのでパラパラっとめくってみたけど、結局やっぱりあれですね? 本番前の深呼吸と何度も暗唱することでしょ」

FBのタグ付けでこのような投稿を目にしたことがあります。全然違うんですけどーーーっ!!!

本番前夜に駄目だしするのもはばかられ、見守った結果、翌日「ちゃんとこの本を読もうと思います・・・涙」と落胆された様子の書き込みがありました。

人は既存の情報を基に情報を受け取りやすい

彼女が私の本をパラパラとめくってくださった時に持っていたであろう情報は、おそらく「あがらない為には、深呼吸と暗唱が必要だ」という、従来のあがり症克服の情報だったのでしょう。

確かに私の著書の中で、深呼吸の方法を紹介していますが、それはあくまで「潜在意識のフタを開けるための深呼吸の方法」であり、あがらない為の深呼吸の方法ではありません。暗唱についても、1枚に書いたカンペをもとにしゃべってみるイメージリハーサルについては書きましたが、原稿を書き覚え、読むような練習を繰り返ししなさいとは書いていません。むしろ過度の練習は逆効果だと伝えています。

しかし彼女は、時間がないのも重なってだと思いますが、私の本で「深呼吸とリハーサル」というキーワードを見つけて、過去の記憶(情報)と照らし合わせて、やっぱり本番前の深呼吸と暗唱が大事だよねと思ったのでしょう。あくまで推察ですが・・。

脳の負担軽減の為に生じる情報認知の欠点

こういう方もいました。「本を読んで、結局はプラス思考だと努力してみました。でもあがり症を克服できませんでした」と言われるので、「具体的にどのようなことをされましたか?」と尋ねると「プラス思考になろうとしました」というだけで具体的な行動は何もありませんでした。

そもそも私の本には「プラス(ポジティブ)」という言葉は使っていますが、「プラス(ポジティブ)思考」という言葉は一切使っていません。この方はプラスという言葉や文章の印象などから、「この本はプラス思考が大事だと書いてあるんだな」「それなら知っている、分かった」となり、それ以上深く読もうとしなかったのかもしれません。

人は脳の負担を軽くするために、受け取った情報を「省略」「歪曲」「単純化」する傾向があります。両者の場合は、単純化を図ろうとし、結果的に歪曲と重要部分の省略が生じている状態です。たまに、本を読んでくださる前に「結局どうすればあがり症は治るんですか?」とメッセージを送ってこられる方がいますが、これは自ら単純化を望んでいて、良い質問とはいえません。

情報を正しく認知するためには

脳の習性を知ると、自分の持っている情報の認知に不安を感じるかもしれません。それを明確にするためには、人に説明してみたり、文章にしてみることです。そうすることで、分かっていないことが分かることが多くあります。分かっていないことが分かって初めて、分かろうとすることができますから、恐れずにアウトプットしてみましょう。