あがり症とうつ病の人の共通点と改善策

うつ病とあがり(緊張)症

ヴィゴラ~ス!!あがり症克服の専門家の金光サリィです。

イギリスのレディング大学の心理学者Mohammed氏によると、うつ病の人がブログや掲示板などに書く言葉には3つの特徴があるようです。これらの特徴は、あがり症の人にも共通する部分があります。

もちろん、共通部分があるから「あがり症=うつ病」と言うつもりではありません。ただし、この共通部分は、ひどいあがり症だった私があがり症を克服するうえで、いの一番に改善に取り組んだ内容ですトレーニングでもお伝えしていることなので、ぜひ目を通してもらえたらと思います。

ネガティブな感情表現を多用する

まず、うつ病の人が書いたものの特徴として、「悲しい」「寂しい」「惨め」などネガティブな言葉を多用していることがあげられるようです。同じく、あがり症の人もネガティブな言葉を使うことが多いです。

頭の中がネガティブな言葉で溢れていると、脳が物事を悲観的、否定的に受け止めやすく、何かに取り組むときに結果が出にくくなります(ネガティブに考えることが悪いと言っているのではなく、ネガティブに偏っていることが問題です)。

このため、私のあがり症克服トレーニングでは、はじめにタブーワードとして、 ネガティブな言葉などを普段から口にしないようにお願いしています。

あるクライアントさんは、このタブーワードの発言の禁止を伝えた後、しばらく何も話せなくなりました。それだけ頭の中がネガティブな言葉で満ちていた証拠です。

厳密には口に出さずとも頭の中で思っているだけでも良くはないのですが、まずネガティブなことを口にしないことで徐々に改善されていきます

「私」など一人称代名詞を多用する

次にうつ病の人は、「私」「自分」など一人称の代名詞を多く使い、逆に「彼女」「彼ら」など二人称、三人称を使うことがほとんどないようです。

記事の中で、「つまり、うつ病患者は“私”を中心とした言語使用を無意識のうちに行っており、他者への関心が希薄であるということだ」とも書かれています。

あがり症克服サポートでお話しする時間だけでは、あがり症の人が一人称代名詞を多用するかについては正直よく分かりません。

けれども、他者への関心が希薄という部分については、そのような人が多いなと感じることがあります(他者への関心がないことが良い悪いという話ではなく)。

これに対し、あがり症の人は、“人の目が気になる”という方が比較的多いので、「いやいや、私は他者に関心がある」と反論されるかもしれません。

しかし、他人の目が気になるのは突き詰めると、他者から自分がどう思われているかが気になっているのであって、結局は他者の頭の中の“自分”に関心があるわけです。

それではどうすれば自分への関心を変えられるのでしょうか?答えは、自分への関心を抑えることは難しいため、他者への関心を高めて、相対的に自分への関心を減らすことです

たとえば、人前で話す時に人の目が気になってしまう人は、聞き手は何を知りたいのだろうか、何に関心があるのだろうかといったことに意識を向けて話をしてみましょう

「絶対に」など独立語を多用する

3つ目の特徴として、うつ病の人が書いたものには「絶対に」「明確に」「完全に」といった独立語(絶対語とも言う)と呼ばれる言葉が非常に目立ったようです。これは完璧主義の表れだとか。

このような真面目だったり厳格な人は、あがり症の人にも多く見受けられます。

人間の脳は、たとえば人前で話す時は、「一字一句間違ってはならない」とか「滑舌を良くしなければならない」といった「●●しなければならない」という思考でいると、余計に緊張してあがってしまいます。

また、こういった人は他者が人前で話している時に「あっ、いま声が裏返った。緊張しているのかも?」とか「全然話が面白くないなぁ」など、厳しく評価する傾向があります。

自分が他者に対して厳しいと、実際は全く違うかもしれないのに、“他者も自分に厳しいはずだ”という思考に陥りやすく、人前で話す時に自ら余計なプレッシャーをかけてしまうことにつながります。

完璧主義はあがり症を克服したい人にとって百害あって一利なしです。自分にも他人にも寛容になることが大切です

誰かのスピーチや朝礼などを聞く時は、深く考えずに「なるほど」「おもしろい」など、自分が人前で話した時に言って欲しいことを頭の中で唱えてみましょう。これを続けていると、次第に脳が聞き手は話を好意的に聞いてくれるものだと思い始めます

あがり症を克服するためだけでなく、健康な心を保つためにも、過度の否定的な言葉、完璧主義を避けて、他者への関心を高めた生活を送りましょう。

まとめ
  • 何でも悲観的に考えると結果が出ないので、ネガティブなことを口にしないこと
  • 人の目が気にならないよう他者への関心を高め相対的に自分への関心を低くする
  • 自分への過度のプレッシャーを避けるため、完璧主義をやめて自他に寛容になる

あがり症のための脳科学にもとづいたメンタルトレーニングの礎を築いたパイオニア。自身が極度のあがり症に苦しんでいた時期がある。ひどいあがり症の人ほど、スピーチ練習や場数、呼吸法などではなく、メンタルトレーニングが必要と伝えている。
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